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冷戦下の恋人たちをモノクロで描いた『COLD WAR あの歌、2つの心』がいよいよ劇場公開!

2019年6月27日

(C)OPUS FILM Sp. z o.o. /Apocalypso Pictures Cold War Limited /MK Productions /ARTE France Cinema /The British Film Institute /Channel Four Televison Corporation /Canal+ Poland / EC1 Lodz /Mazowiecki Instytut Kultury /Instytucja Filmowa Silesia Film /Kino Swiat /Wojewodzki Dom Kultury w Rzeszowie

 

1950年代の冷戦下、男性ピアニストと女性歌手が、別れと再会を繰り返す様を美しいモノクロ映像とともに描く『COLD WAR あの歌、2つの心』が6月28日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『COLD WAR あの歌、2つの心』は、冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリーポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリへと亡命する。夢をかなえて歌手になったズーラは、公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。パリで一緒に暮らすが、やがてポーランドに戻ることに。ヴィクトルは彼女の後を追ってポーランドも戻るのだが…

 

本作は、『イーダ』でアカデミー外国語映画賞を受賞したポーランドのパヴェウ・パヴリコフスキが監督を務め、2018年の第71回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。主役のふたりを演じたのは、ヨアンナ・クーリグとトマシュ・コット。

 

(C)OPUS FILM Sp. z o.o. /Apocalypso Pictures Cold War Limited /MK Productions /ARTE France Cinema /The British Film Institute /Channel Four Televison Corporation /Canal+ Poland / EC1 Lodz /Mazowiecki Instytut Kultury /Instytucja Filmowa Silesia Film /Kino Swiat /Wojewodzki Dom Kultury w Rzeszowie

 

映画『COLD WAR あの歌、2つの心』は、6月28日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、京都のT・ジョイ京都で公開。また、7月5日(金)より、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

90分に満たない本作には、無駄な描写が全くなく、言葉による説明も少ない。モノクロ作品であることも、最近では珍しいスタンダードサイズの画角までも、ぎりぎりまで情報量を抑えて、必要なことだけを映像と音で描写しきるためだ。

 

だが、「主演の二人に加え、音楽が3番目の登場人物である」と監督自身が言っているとおり、劇中で流れる様々な歌が、時代が変わり国が移ったことを一瞬で分からせるほど、多くを物語る。 特に、邦題の副題にもなっている「2つの心」。この歌は、歌う場所や歌われ方、ときには言語まで変えて流れるたびに、その悲しい歌詞と呼応するように、二人の数奇な運命を導いてゆく。

 

日本語字幕を担当した吉川美奈子さんの手腕も素晴らしい。 舞台となる国が何度も目まぐるしく移り変わり、登場人物たちのセリフはポーランド語以外に様々である。本来なら、「ここはあえてフランス語で話しているんですよ」と説明したくなるようなシーンでも、無駄がなく映画の流れを妨げないように、微妙なニュアンスを訳されている。画面に映る看板の言葉を訳したシーンは、その1行が重要な情報なので見逃せない。

 

とにかく説明が省略されているため、初見では全てが分からないかもしれない。だが、ドラマに胸を打たれ、もう一度観ることで映画の完成度に気づかされていく。様々な魅力が凝縮されて詰まっている作品だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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