『ナイトクルージング』と一緒に観ると真相が分かる…!『INNERVISION インナーヴィジョン』加藤秀幸さんと佐々木誠監督を迎え舞台挨拶開催!
先天的に視覚障がいを持つベーシスト兼作曲家の加藤秀幸さんがSFアクション映画を監督する過程を映し出す『INNERVISION インナーヴィジョン』が4月13日(土)より、大阪・十三のシアターセブンで1週間限定公開。初日には、加藤秀幸さんと佐々木誠監督を迎え、舞台挨拶が開催された。
映画『INNERVISION インナーヴィジョン』は、先天的な視覚障害を持つベーシスト・作曲家の加藤秀幸が、SFアクション映画の監督に挑む姿を追ったドキュメンタリー。視覚という概念を持たない加藤が映像を制作していく過程を、加藤の友人でもある映像作家・佐々木誠が記録。第一線で活躍するクリエイターたちが次々と登場するほか、ジェームズ・キャメロン監督が「アバター」制作のために開発したバーチャルカメラなど最先端の映像制作システムも見どころ。
上映後、加藤秀幸さんと佐々木誠監督が登壇。6年振りの劇場公開を喜びながらの舞台挨拶となった。
本作は、神奈川県の視覚障碍者によるNPOが啓発映画を作ることを契機に制作された。通常は観客を感動させるようなドキュメンタリーになることが多いが、NPOの代表が佐々木監督を知り『マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画』を観て、おもしろい作品が出来上がると感じ依頼していく。本来、加藤さんは出演する予定はなく、ドキュメンタリー向けの楽曲づくりを予定していたが、様々な事情から、出演を頼まれ監督を打合せを行った。
佐々木監督は、加藤さんと初めて会い「同い年で幼い頃のお笑いの趣味が合った。当時は、映像や映画の構造を探るような作品を作りたいなと朧気に思っていた」と振り返る。加藤さんが映画を作る映画の製作を検討し「様々なことが浮き彫りとなっておもしろいんじゃないかな」と思い、撮影に挑んでいく。予算が限られている中で、彼のスケールの大きな作品を作るのは難しいが「作ってしまうと『視覚障碍者が作った映画はこんなものか』で終わってしまうのはつまらない」と感じていた。
なお、6年前の劇場公開時には、様々なお客さんから続編をリクエストされ、佐々木監督は「当然作ります」とトークショーで発言。加藤さんは「最初は『何を考えているんだ』と思った」と明かす。本作に対し「当初、やる気もないところから、やる気が出てきて、最終的に、良い気になっている、と描かれている」と受けてとめている。第七藝術劇場では、続編の『ナイトクルージング』が公開されるので「続けて観て頂けると、どうしてやったのか、なぜSFだったのか、分かってもらえる」と期待を寄せるコメントを伝え、舞台挨拶は締め括られた。
映画『INNERVISION インナーヴィジョン』は、大阪・十三のシアターセブンで、4月19日(金)まで公開中。
- キネ坊主
- 映画ライター
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