東京大空襲の戦火を逃れた“疎開保育園”の実話を描く『あの日のオルガン』がいよいよ劇場公開!
(C)映画「あの日のオルガン」製作委員会
幾多の困難をたくましく前向きに乗り越え、ユーモアを忘れず突き進んだ知られざるヒロインたちの実話を描き出す『あの日のオルガン』が、2月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『あの日のオルガン』は、第2次大戦末期に保母(保育士)たちが幼い園児たちとともに集団で疎開し、東京大空襲の戦火を逃れた「疎開保育園」の実話を映画化。1944年、第2次世界大戦末期の東京。警報が鳴り、防空壕に非難する生活が続く中、品川の戸越保育所では園児たちの安全を確保するため、保母たちが保育所の疎開を模索していた。ようやく受け入れ先として見つかった埼玉の荒れ寺で疎開生活をスタートした若い保母たちと園児たちは、日々噴出するさまざまな問題に直面しながらも、互いに励ましあいながら奮闘していく…
本作では、戸田恵梨香さんが保母たちのリーダーとなる板倉楓役を、天真爛漫で音楽好きな保母の野々宮光枝役を大原櫻子さんがそれぞれ演じる。なお、山田洋次監督作品の多くで脚本、助監督を務めてきた平松恵美子さんが監督、脚本を務めた。
映画『あの日のオルガン』は、2月22日(金)より、大阪・難波のなんばパークスシネマ、神戸・三宮の神戸国際松竹、京都のMOVIX京都をはじめ、全国の劇場で公開。
戦争の真っ只中で女性は強く生きていた。いや、強い心を持っていないと生きていけない。戦争はそうまでして人々を変えていったのか。ヒシヒシと感じる作品であった。
保母さんのリーダーを戸田恵梨香さんは逞しく演じ、凛々しい姿をカメラは捉えている。大原櫻子さんは、天真爛漫なキャラクターを演じた。どちらの生き方が当時では正解だったということではない。目の前で起きていることに対し、それぞれが思い思いに必死な姿で生きてきた。現代を生きる私達へのメッセージに代えて、本作は作り上げられている。
本作の最後には、アン・サリーさんの歌う「満月の夕」が流れていく。そもそもは、ソウル・フラワー・ユニオン(ソウル・フラワー・モノノケ・サミット)の中川敬さんが、阪神・淡路大震災の被災地、神戸で慰問ライブ活動を開始していくなかで作られた楽曲。本作と共通するテーマを以て選ばれたのだろうか。震災から24年を経て、改めてスクリーンから「満月の夕」を聞いた時、作品と相まってグッとくることだろう。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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