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ジョージア映画界の最長老監督エルダル・シェンゲラヤが贈る風刺コメディ『葡萄畑に帰ろう』がいよいよ京阪神の劇場公開!

2018年12月20日

政府の要職に就いていた男の人生の転落を描きだす『葡萄畑に帰ろう』が、12月22日(土)より京阪神の劇場で公開される。

 

映画『葡萄畑に帰ろう』は、権力社会への痛烈な風刺を込めたヒューマンのヒューマンコメディ。政府の要職に就くギオルギは、故郷に残した母親のことなどすっかり忘れ、大臣の椅子の座り居心地を満喫していた。早くに妻を亡くし、娘との折り合いはあまりよくないものの、新しい恋も手に入れ、順風満帆な日々を送っていた。しかし、ある日突然、大臣をクビになってしまう…

 

本作は、官僚主義を痛烈に笑い飛ばした風刺コメディ『青い山 本当らしくない本当の話』等で知られるジョージア映画界の最長老監督エルダル・シェンゲラヤが、ジョージア国会副議長を務めるといった政界で活躍した自身の経験をベースにした権力社会への風刺を、大らかなユーモアで包みこみ、ジョージアの魂とも言える葡萄畑が広がる故郷への愛がつづられる。キャストにはニカ・タヴァゼ、ニネリ・チャンクヴェタゼ、ナタリア・ジュゲリ、ズカ・ダルジャニアらが名を連ねた。

 

映画『葡萄畑に帰ろう』は、12月22日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田で公開。また、12月29日(土)より京都・烏丸の京都シネマ、2019年1月4日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開。

本作のタイトルを一見すると、最近よくあるフランスの葡萄畑を舞台にしたヒューマンドラマかと思っていたが全く違った。何処の国でも起こりそうなハイクラスに就いてしまった人に対しての風刺を描いたヒューマンコメディである。邦題は『葡萄畑に帰ろう』だが、英題は『The Chair』。物語の何処に視点を置くかによって訴えかけるメッセージは変わってくる。

 

そもそもワインの発祥地はジョージア(グルジア)。8000年の歴史を持つ。2013年には、日本の和食と共にユネスコの無形文化遺産に登録された。ワインの大地である葡萄畑は、ジョージアの魂といえる。つまり、本作における葡萄畑は、社会的地位に溺れるのではなく、人々が幼い頃から培ってきた場所に根を生やして慎ましく生きなさい、と示しているかのようだ。翻って、”The Chair”は権力にしがみ付いている人々を滑稽に例えている。いずれのタイトルにせよ、物語は予想外に進んでいき、最後まで楽しめるユニークな一作として世に放たれた。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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