ドラッグの依存症に苦しむ青年と家族の愛と再生を描く物語『ビューティフル・ボーイ』がいよいよ劇場公開!
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ドラッグ依存を克服した青年と、彼を支え続けた家族の姿を描く『ビューティフル・ボーイ』が、4月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ビューティフル・ボーイ』は、父デビッドとドラッグ依存症だった息子ニックがそれぞれの視点から描いた2冊のノンフィクションを原作に、家族の愛と再生を描いたドラマ。成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていたニックは、ふとしたきっかけでドラッグに手を出し、のめり込んでしまう。父デヴィッドはニックを更生施設に入れると決意。やがて治療が終わり自分を取り戻したニックだが、またしてもドラッグに手を出してしまう…
本作では、『フォックスキャッチャー』のスティーブ・カレルと『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメが父子を演じる。監督は『オーバー・ザ・ブルースカイ』を手がけたベルギー出身のフェリックス・バン・ヒュルーニンゲン。『ムーンライト』『それでも夜は明ける』を手がけたブラッド・ピット率いるプロダクションのプランBエンターテインメントが製作。脚本に『LION ライオン 25年目のただいま』のルーク・デイビス。
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映画『ビューティフル・ボーイ』は、4月12日(金)より、全国の劇場で公開。
繊細で複雑な父と子、家族の物語。こんなにあなたを愛しているのに、大切に想っているのに、上手く伝わらない。 薬物依存から簡単には逃れられない現実がそこにはある。本作を通し実話として8年もかかったということがその困難さを示す。しかし、深刻になり過ぎないように丁寧に脚本が練られているのを感じた。不快な表現もなく(一度見ただけでは感じられなかった)、安心して製作陣に身を任せていられる。
周りにいてくれる人たちがどれだけ頑張ったとしても、感じる無力さ。彼らはニックのことを想い、どれほど涙を零したことだろう。それがどんなにニックを苦しめていただろうか。見えない部分にまで情景として想像できてしまい、何度も泣いた。 劇中で言い合いをする中「自分のことに責任を持ちなさい!」とデヴィッドはニックに言うが、ドラッグに溺れている最中の中毒者に正論を叩きつけても意味が無い。ニックの状況、デヴィッドの努力、両方を観る人だけにしか分からない歯痒さが画の中に佇んでいる。静かに二人を見守ることしか出来ないのだ。それがどんなに悔しいことか。
祈るように囁く”Everything”、「世界中どこを探してもこの感情は表現出来ない。」とデヴィッドはニックを抱きしめる。その言葉が2人にとってどんな意味があるのかぜひ映画で確かめて欲しい。ラストシーンを観るとニックに「生きてるだけで良いじゃないか」と肩を叩きたくなる。 シガーロスのスコアを背景に薬物にハマっていくティモシーシャラメの演技は物凄くエモーショナルだ。スティーブ・カレルは『リトル・ミス・サンシャイン』で観客の心を掴んだが、それを上回る程のエモーショナルさを見せてくれる。私たちがずっと見続けていたいスティーブ・カレルの演技だ。彼はどんな役も外さないと約束してくれる。
from君山
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!