映像に描かれる出会いと想像をみんぱくから 『幸せのありか』上映会開催
大阪府吹田市にある国立民族学博物館で定期的に開催されているみんぱく映画会「みんぱくワールドシネマ」。今回は2月11日(土)に『幸せのありか』の上映会を開催する。
みんぱく映画会「みんぱくワールドシネマ」は、国立民族学博物館で2009年度から実施している研究者による解説付きの上映会。8年目の今期は<出会いと創造>をキーワードに映画上映を展開していく。36回目となる今回は、民主化へと移行する時代を背景に、脳性麻痺を患っている少年の成長を描いたポーランド映画『幸せのありか』を上映する。
『幸せのありか』は脳性麻痺の障害を持つ男性の幼少期から青年期までの悲喜こもごもを瑞々しく描き、2013年モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞するなど世界各地の映画祭で高く評価されたポーランド発のヒューマンドラマ。幼いころに医師から植物状態と診断されたマテウシュは、それでも愛情にあふれた両親のもとで豊かな経験を積み、幸せな子ども時代を過ごす。しかし身体が大きくなるにつれて家族との生活は困難になり、姉の結婚を機に病院に入れられてしまう。年老いた母や看護師に不満をぶつけることしかできないマテウシュは、ある日、美しい看護師マグダと出会い、心を通わせるようになるが……。
みんぱくとしては、自分の意思と感情が明確にも関わらず、家族にも伝えられないでいる青年の視点を通して、健常者の障害者への理解について考える機会と捉えている。
『幸せのありか』上映会は、2月11日(土)13時開場13時30分~16時30分にて国立民族学博物館講堂にて開催される。定員は450名、入場整理券を11時から国立民族学博物館本館2Fの観覧券売場にて配布、事前申込は不要となっている(一般420円の展示観覧券は必要)。国立民族学博物館の菅瀬晶子さんによる司会、信田敏宏さんによる解説にて上映される。
『幸せのありか』を実際に鑑賞出来ていないのだが、予告を観るだけでも主人公の心の声の表現方法には興味津々になる。身体が思うように動かなくても、心は誰しもが持っている。一人の人間が成長していく上で経験する出来事に応じて、主人公の喜怒哀楽がどのように作品の中で表現されていくのかを観るだけでも鑑賞する価値がある。本作の価値に気づいた時、『幸せのありか』との出会いによって、観た者は何かを創造するきっかけとなる作品になっていくだろうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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