バンクシーの絵が起こす騒動に追るドキュメンタリー『バンクシーを盗んだ男』関西の劇場でいよいよ公開!初日にはミルクマン斎藤さんを迎えてトークイベント開催!
(C)MARCO PROSERPIO 2017
正体不明のグラフィティアーティスト、バンクシーと彼の絵がもたらす影響力に迫るドキュメンタリー『バンクシーを盗んだ男』が関西の劇場で8月11日(土・祝)より公開される。公開初日には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で、映画評論家のミルクマン斉藤さんを迎えたトークイベント付き上映を開催。
映画『バンクシーを盗んだ男』は、ロンドンを中心に世界中で神出鬼没な活動を展開する正体不明なグラフィティアーティストのバンクシーと、数千万円~1億円という超高額で取引される彼の作品が人びとに及ぼす影響力に肉迫したドキュメンタリー。パレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘム。紛争地区に指定されているその場所にはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁が存在する。その壁にバンクシーが描いた「ロバと兵士」の絵は、パレスチナの住民たちの反感を買い、絵が描かれた壁はタクシー運転手のワリドによってウォータージェットカッターで切り取れてしまう。ワリドはその壁画をオークションに出品し、最高額の入札者への売却を試みるが……ナレーションは、アメリカンロック界のカリスマ、イギー・ポップ!
関西での公開初日には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で、映画評論家のミルクマン斉藤さんを迎えてトークイベント付き上映を開催。ミルクマン斎藤さんは映画だけではなくアートへの造詣も深く、「chappie」をはじめ数々のグラフィックや映像等を手掛けてきたデザイン集団「groovisions」の唯一デザインしないメンバー。アート世界の現状から、バンクシーを中心としたグラフィティアートや本作でも描かれるパレスチナでのストリートアートについて、お話頂く予定。
(C)MARCO PROSERPIO 2017
映画『バンクシーを盗んだ男』は、8月11日(土・祝)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と京都のT・ジョイ京都で公開。ミルクマン斎藤さんによるトークイベントは、8月11日(土・祝)13:20の回上映終了後に開催(料金は通常料金設定[各種割引適用可]、チケット販売は劇場オンラインチケット予約[8月8日(水)AM0:00~販売開始]と劇場窓口販売[8月8日(水)AM9:40~販売開始]にて実施)。また、10月6日(土)より、神戸・新開地の神戸アートビレッジセンターで公開予定。
本作では、「ロバと兵士」の絵を中心にして、バンクシーが世の中にどのような影響を与えていくか描かれている。何の変哲もない街中にある建物の壁に印象的な絵が描かれただけで人々の心を動かしていく。冷静に考えれば衝撃的な出来事だ。バンクシーにとっては絵を描き切るまでが仕事。その後については責任を負わない。本人が関与しないところで、絵を取り出すまでに至る。絵によって良くも悪くも人生を変えてしまう人まで現れた。それほどまでに社会に影響を与える。
描かれることで社会に訴えることができるなら、バンクシーを大歓迎する人まで現れた。ビジネスになると分かれば、どのような手段をもってしても絵を手に入れる人が登場する。これほどまでに世界を挑発するアートを発表していくバンクシーの実体とは何なのだろうか。その正体を見たい気もするが、生涯見せてほしくない気もする。それほどまで人々を動かしていくバンクシーの一部ながらも大いに堪能できる一作!
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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