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人と自然の関わりを写す文様に迫るドキュメンタリー『フィシスの波文』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2024年4月16日

©2023 SASSO CO.,LTD.

 

人が描いてきた文様を時間と場所を超えて辿り、古くから続いてきた人間と自然の関わり合いを紐解いていく『フィシスの波文』が4月19日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『フィシスの波文』は、古くから現代に至るまで人と自然の関わりを映してきた「文様」に迫ったドキュメンタリー。和紙に文様を手摺りする唐紙を400年にわたり受け継いできた京都の工房「唐長」の手仕事の現場をはじめ、葵祭や祇園祭などの祭礼や寺社・茶事の空間に息づく文様、1万年前にイタリアの岩壁に描かれた線刻、古代ローマの聖堂を飾るモザイク、北海道のアイヌの暮らしに受け継がれる文様などをたどり、文様とその源となった自然の様を丁寧に映し出す。

 

本作は、『幸福は日々の中に。』『島の色 静かな声』等のドキュメンタリー作品で知られる写真家・映像作家の茂木綾子監督が手掛け、唐紙に注目するエルメスのアーティスティック・ディレクターのピエール=アレクシィ・デュマや、ミナペルホネンのデザイナーである皆川明、造形作家の戸村浩ら現代のアーティスト達も出演。タイトルにある「フィシス」は古代ギリシャ語で「あるがままの自然」を意味する言葉で、日本の「自然(ジネン)」にも通じる。

 

©2023 SASSO CO.,LTD.

 

映画『フィシスの波文』は、関西では、4月19日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、4月20日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、5月11日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

文様とは、調度・器物・衣服などの表面に装飾された図形であり、 同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものを指すことが多い。本作では、中国から渡来した紙である唐紙について、和紙に文様を手摺りしていく姿を見せていく。紙をすく姿は映像などで見た方も多いだろうが、木から紙を作っていく過程まで丁寧に伝えており、改めて、紙がどのように作られていくか知ることが出来た。そこから文様を作成していくのだが、いわゆる版画の手法なのだが、丁寧に板を彫っていき巧みな技術を見せていく。和紙に刷っていく姿は軽やかに映し出すが、これは熟練の技。丁寧に刷った結果を確認していくが、素人はこれ程にもスムーズに作業できないだろう。また、文様は何から由来しているか、も伝えていく。直線や曲線が表しているものは自然由来のものが多く、世界やアイヌの人達にもカメラを向けていった。さらには現代のデザイナーにもスポットをあて、幾何学模様が織り成す魅力を興味深いパズル等も交えて表現していく。文様を通して自然や世界が繋がっていることを事細かに丁寧に映し出したドキュメンタリー作品であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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