アメリカ同時多発テロに関与した容疑で逮捕されたモーリタニア人であるモハメドゥ・ウルド・スラヒを巡る物語『モーリタニアン 黒塗りの記録』がいよいよ劇場公開!
(C)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた、モハメドゥ・ウルド・スラヒの手記を基に、9.11の首謀者の1人として収容されたモハメドゥとアメリカ政府の対決と、そこから見えてくるアメリカ政府の闇に迫る『モーリタニアン 黒塗りの記録』が10月29日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、悪名高きグアンタナモ収容所に収監されたモーリタニア人の青年と、彼を救うべく奔走する弁護士たちの姿を、実話を基に描いた法廷サスペンスドラマ。弁護士のナンシー・ホランダーとテリー・ダンカンは、モーリタニア人青年モハメドゥの弁護を引き受ける。アメリカ同時多発テロに関与した疑いで逮捕された彼は、裁判すら受けられないまま、拷問と虐待が横行するキューバのグアンタナモ米軍基地で地獄の日々を送っていた。真相を明らかにするべく調査に乗り出すナンシーたちだったが、正義を追求していくうちに、恐るべき陰謀によって隠された真実が浮かび上がる。
本作は、モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」を題材に、『ラストキング・オブ・スコットランド』のケビン・マクドナルド監督がメガホンをとった。ジョディ・フォスターが敏腕弁護士ナンシーを演じ、第78回ゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞。軍の弁護士ステュアート中佐をベネディクト・カンバーバッチ、モハメドゥを『預言者』のタハール・ラヒム、テリーを『ダイバージェント』シリーズのシャイリーン・ウッドリーが演じた。
(C)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、10月29日(金)より全国の劇場で公開。
アメリカ同時多発テロに関与した人物を逮捕するのに躍起になっていた当時のアメリカ政府。何からの関与が判明すれば、確固たる証拠がなくとも逮捕し収監していた。冷静になってみるほどに恐ろしい空気があったと感じてしまう。裁判すら受けられない状況下、白状させるためにはあらゆる拷問と虐待が横行していたとは…想像し得ないレベル以上のことがなされていた。これだけのことをされたら、たとえ関与していなくとも罪悪感を抱かざるを得ない。そこまで当時のアメリカは追い込まれ、追い込んでいったのかと思うと、当時の出来事を文字にして映像化する意義が存分にある。
手記に起こしたのはモーリタニア人の青年モハメドゥ・ウルド・スラヒ。彼を弁護したのはアメリカの刑事弁護人であるナンシー・ホランダーとテリー・ダンカン。彼が無実であることを最後まで信じ続けた姿が本作では尊く描かれている。また、アメリカ政府側の法律家となったスチュアート中佐は、調べれば調べていくほどに証拠がないことに気づき、自らの正義に忠実になって精錬に描かれている。「9.11」から20年を経た現在、改めて当時の出来事に冷静に向き合い、今このタイミングで劇場公開されることを真摯に喜びたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!