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かつての連続児童殺傷事件の影が落ちる団地を舞台としたサイコスリラー『POCA PON ポカポン』がいよいよ劇場公開!

2026年5月5日

©映画『POCA PON ポカポン』製作委員会

 

ある地方都市の団地を舞台に、母親とふたりの息子たちの心のすれ違いと、彼らを気にかける団地の管理人を、ある不穏な噂を交えて描く『POCA PON ポカポン』が5月9日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『POCA PON ポカポン』は、猟奇殺人事件を背景に、時に人を癒やし、時に人を壊す不思議な天の声”POCA PON(ポカポン)”と、温かさと不穏が同居するある家族の日常を描いた新感覚のドラマ。13歳の健太と10歳の弟である祐二、母親の朝子による3人は、ある地方都市の団地で暮らしている。健太は、将来少しでも母と弟にましな生活を送らせたいと必死で勉強している。そんな彼の耳に、時折どこからともなく”ポカポン”という音とも声ともつかない、不思議でどこか懐かしいメロディが響く。しかしそれが何だったのか、思い出すことはできない。一方、母の朝子は勉強に励む健太に「そんなことは無駄だ。今を楽しんで遊べ」と言う。互いを思いやりながらも、どこかですれ違う親子。そんな家族を、団地の管理人・駿一は何かと気にかけていた。駿一には”不思議な力”があり、健太は彼に強い興味を抱く。そんなある日、かつて社会を震撼させた猟奇殺人犯がこの団地に住んでいるという噂が流れ…

 

本作の監督・脚本は『横須賀綺譚』の大塚信一さん。出演は『サバカン SABAKAN』『海辺へ行く道』と話題作への出演が続く原田琥之佑さんのほか、尾関伸次さん、菜葉菜さん、川瀬陽太さん、山崎ハコさんら実力派俳優が多数顔をそろえる。

 

©映画『POCA PON ポカポン』製作委員会

 

映画『POCA PON ポカポン』は、5月9日(土)より全国の劇場で公開。関西では、5月9日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、5月15日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、5月16日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

母と兄弟2人で暮らす家族。諦めた母と、慎ましくも家族との未来を見る長男。隣の部屋からドンドンと物音がする。優しくも何を考えているのか見えずらい管理人。世間の噂。誰の何がどう作用するなんて誰にも分からない。ぼやっとした画面から立ち上る交差する夜の団地。目の前には歩道橋。美しくも不穏なこの空間に即座に魅了された。

 

長男の健太は、貧しい家庭環境に負けず、自分の未来を切り開こうと勉強に励む。母は、どこか諦めていて、大人になるまでの今くらいは遊んで楽しく過ごしてほしい、と願う。自分も同じような経験をしてきたからこその諦めなのかもしれない。それでも、健太は状況を打破し、母親と弟と幸せに暮らすために勉強をする。そんな彼だからこそ、不思議な空気を醸している管理人の正義感や優しさに気づき、感化されるのだろう。しかし、それは正しいことなのか分からない。

 

映画は、常に不穏さを湛えながら進む。隣人からの騒音。”ポカポン”という言葉や音。ある噂。それらを抱えながら暮らしが進む。しかし、ある出来事をキッカケにあっさりと物事が動く。価値観が揺さぶられる。決して許されることではない過去の出来事。でも、その中にある一輪の花のような心。それが本当にあるのかどうか、分からない。だけど、健太は受け取った。

 

時に、子供は見えすぎてしまう。それは、大人が失ってしまう(のかもしれない)真っすぐ何かを見通す力かもしれない。でも、見えすぎるがあまり、道を違えることもある。だから、大人はしっかり見極められるようになるための勉強を怠ってはいけない。

 

大塚信一監督は、日頃ラーメン屋で毎日のように働いているらしい。映画の製作は趣味だという。趣味だからといってお気楽なわけじゃない。むしろ、好きなことを仕事にはせず、それでも熱量高く映画を撮ることを選んでいる姿勢に尊敬すら感じている。なぜなら、自分にできていないことだから。好きが分からず、惰性で今の仕事に就き、怠惰な毎日を送っている自分に突き刺さる眩しさである。

 

監督が撮ってきた映画は社会派でありながら、その内容をジャンル映画として仕上げていく。それは、単に面白がっているのではなく、鑑賞者に地続きの問題だと感じさせつつ面白いものを作るという圧倒的に難しいチャレンジだと感じる。そういう映画を撮ることは、日本国内にも少なくないと思いつつ、年々難しい環境になっている気がする。世界を見据えながら小規模でチャレンジしている大塚監督をこれからも応援したい。

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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