母になったからこそ気持ちが分かる…『ナイトフラワー』北川景子さんを迎え舞台挨拶開催!
借金を抱える母親が、孤独を抱えた女性格闘家をボディーガードにして、ドラッグの密売に手を染める『ナイトフラワー』が11月28日(金)より全国の劇場で公開。11月20日(木)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに北川景子さんを迎え舞台挨拶が開催された。
映画『ナイトフラワー』は、『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が北川景子さんを主演に迎えて撮りあげたヒューマンサスペンス。内田監督が自ら原案・脚本も手がけ、借金取りに追われる母親が子どもたちの夢をかなえるため危険な世界へと足を踏み入れていく姿をスリリングに描き出す。借金取りに追われ、2人の子どもを連れて東京へ逃げてきた永島夏希は、昼も夜も必死に働いてもなお、明日の食べものにさえ困る生活を送っていた。そんなある日、夜の街でドラッグの密売現場に遭遇した彼女は、自らも売人になることを決意する。心に深い孤独を抱える格闘家の芳井多摩恵と出会った夏希は、ボディガード役を買って出た彼女とタッグを組み、さらに危険な取引に手を伸ばす。しかし、ある女子大学生の死をきっかけに、夏希と多摩恵の運命は思わぬ方向へ転がりはじめる。夏希のボディガードとなる女性格闘家の多摩恵を実写映画『シティーハンター』の森田望智さん、多摩恵の幼なじみである池田海をアイドルグループSnow Manの佐久間大介さん、麻薬密売の元締めであるサトウをロックバンドSUPER BEAVERの渋谷龍太さんが演じ、渋川清彦さん、田中麗奈さん、池内博之さん、光石研さんが共演した。
今回、上映前に北川景子さんが登壇すると、関西出身の北川さんを迎えるべく、お客様が色とりどりの”花”で歓迎。現在、連続テレビ小説の撮影で大阪には頻繁に来ているが、舞台挨拶では8年ぶりとなり、今回の来阪を楽しみにしていた。
学生時代、梅田のHEP5にはよく来ていたことがあり、ゲームセンターで”プリクラ”で撮影したり、観覧車に乗ったりしていたようで、大人になってからは当時の出来事を懐かしんでいる。また、”粉もん”も大好きで、関西に帰ってきた時は、大好きなお好み焼きやたこ焼きを絶対に食べに行っているそうだ。また、最近は、撮影現場に宅配で届けてもらうこともあり、大好きであることが伝わってくる。なお、自宅にはたこ焼き器があり、1ヶ月に1,2回はたこ焼きパーティーとなる日があり「子供たちも結構好き。下の子にはタコじゃなくてウインナーに変えたりとか。私も好きなので、食べますよ。家では夫が焼いてくれます」と話してくれた。
本作では、2人の子どもを育てる母親役を演じており「私が演じさせていただいた夏希という女性は、色々な事情があって夫が不在になってしまって、1人で2人の子供を一生懸命育てている、という母親の役なんです。作品の前半は、いたって真面目に一生懸命に愛情深く子供たちに接している、極々一般的なお母さんだと思います」と述べ「私自身も、子供が上の子が女の子、下の子が男の子で、映画の中の構成と同じなんです。子育てをする中で、子供が”食べたい”と言っている料理を今日の夕飯のメニューにしたり、”習いたい”と言っているものを習わせてあげたい、という気持ちは痛いほど分かる。母になったからこそ気持ちが分かる、今回の役だったかな」と受けとめている。だが、心情的にハードなシーンもあり「夏希が地球儀を作るバイトをしているんですけど、そこでプッツンとキレてしまうシーンがあり、思い切り感情を爆発させてやってみたんですけど、スッキリしましたね。普段なかなかやれないことだから、思い切ってやりました」と明かす。

森田望智さんは格闘家役を演じており「肉体を改造されて、7Kg増やして、半年以上のトレーニングを積んで、格闘シーンを実際にご本人でやっていらっしゃるんです、吹き替えなしで。私が実際に客席からリングを見て応援しているシーンなんですけど、本当に胸を鷲掴みにされてギュっとなるシーンになっていて、すごく心に残っている」と挙げた。また、渋谷さんが演じたサトウについては貫禄があり「初めて出会うシーンで、『私の持ってるお金、全財産、これなんです』と言って小銭を渡さなきゃいけないんですけど、震えちゃってお金をテーブルに置けなくて…毎回違う額が出るから、渋谷さんが”あれ、さっきと額が違うな”と思いながらやっていた、と仰っていました。 普段の渋谷さんはフレンドリーで優しい方ですけど、すごい怖かった。役になった時、アーティストの方は、空気まで自分の世界に変えてしまう。空気も操るようなところが凄かったな」と驚いている。佐久間さんについては「私たちがテレビで見ているさっくんとは違う。ワイルドさっくん、楽しみにしてほしいな」と期待させていく。
作品の冒頭では、夏希が歌うシーンがあり「様々な事情でやけくそになって歌っています。 私自身もやけくそになって歌っています」と告白。「歌とか踊りとかが全然得意じゃなくて…人前で歌ったり踊ったりすることも極力避けてきた人生です。カラオケとか行っても盛り上げ担当。 手拍子とかタンバリンの担当で、歌うことは一切ないんです」と打ち明け「今回、内田監督から『1人で一生懸命子供を育てているんだけど、困窮して闇の仕事に就く役はどう?』と言われた時、歌うとは聞いていなかったんです。台本が届いて、最初に歌うシーンがあって、内田さんのためでも、歌うのは嫌だな、と思ったんですけど… でも今更、”このシーンが…”と言うのも潔くない、というか…」と困惑。そこで、練習をするために初めて1人でカラオケに行くことに。「1時間ぐらい練習すれば、メロディーとか掴めるのかな」と試してみたが「歌った曲が難しくて、分からないんです。 何度やっても音がつかめなくて、延長までして…結局1時間半歌って…もうちょっと練習しないと本番歌えない、と思ったんですけど…喉が危うくなってきて…プロじゃないから、歌い過ぎて…これ大丈夫なのかな、本番…と思いながら帰った。1人カラオケデビューの成果が表れているかと思います」と大変だったことを振り返った。なお、兵庫出身の北川さんは、大阪出身の夏希という設定については、気持ち的にも余裕があり「大阪弁の台詞が入った音源をいただいて聞いて、1度練習して行ったんです」と振り返り「私、学校が大阪だったので、演じやすかったです。自然体でいられた。こっちが私の本当の姿ですから」と安堵している。
最後に「今回、関西弁で一生懸命頑張る母親の役をやらせていただきました。 公開に先駆けて、大阪で皆さんに観ていただけることを本当に嬉しく思います。 どのぐらいの人がいらっしゃるのかな?と思ったら、こんなに客席がたくさん埋まって、お花で出迎えてくださって、すごく感動しました」と喜びを伝え「この作品は28日に公開するんですけれども、内田組の監督、スタッフ、キャスト皆が一丸となって、それぞれの魂をぶつけ合って作った、ヒリヒリした作品なんです」と紹介。とはいえ「暗い話と思われているんじゃないかな」と心配しているが「今日皆さんご覧になったら、明日から自分の周りにいる家族とか友達とか大切な人に言葉で伝えたり、周りの人と時間を過ごすことを大切にしようと思ったり、温かい気持ちになってもらえるような作品になってるんじゃないか」と期待している。そして「今日、皆さんが観ていただいて、おもしろいと思ってくださった時には、是非是非たくさんの方に広げていただけたら嬉しいな、と思います。関西に帰ってこれて嬉しかったです」と感謝の気持ちを伝え、舞台挨拶を締め括った。
映画『ナイトフラワー』は、11月28日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮の kino cinema 神戸国際等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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