アルツハイマー型認知症を患う父がレコードデビューの夢を叶えるため奮闘する『父と僕の終わらない歌』がいよいよ劇場公開!

©2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会
歌手になる夢を諦め、息子のために楽器店を営んでいた父親がアルツハイマー型認知症となったことを機に、息子や仲間たちが音楽で絆を繋ぎとめようとする『父と僕の終わらない歌』が5月23日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『父と僕の終わらない歌』は、若き日に諦めたレコードデビューの夢をかなえようとするアルツハイマー型認知症の男性と、彼を支える家族の姿を描いたヒューマンドラマ。かつてミュージシャンとしてレコードデビューを目指しながらも、息子である雄太のために夢を諦めた間宮哲太。音楽とユーモアをこよなく愛する彼は、生まれ育った横須賀で楽器店を営みながら、時々地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきた。そんなある日、哲太はアルツハイマー型認知症と診断されてしまう。すべてを忘れゆく哲太をつなぎ止めたのは、彼を信じて支え続けた息子の雄太と強く優しい母の律子、固い絆で結ばれた仲間たち、そして彼が愛する音楽だった。
本作では、2016年にイギリスで1本の動画をきっかけに80歳にしてCDデビューを果たした男性の奇跡の実話をもとに、舞台を日本に置き換えて映画化した。寺尾聰さんが父の哲太、松坂桃李さんが息子の雄太を演じ、松坂慶子さん、ディーン・フジオカさん、佐藤栞里さん、佐藤浩市さんが共演。『タイヨウのうた』『ちはやふる』シリーズの小泉徳宏監督がメガホンをとり、実写版『シティーハンター』の三嶋龍朗さんが小泉監督と共同で脚本を手がけた。
©2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会
映画『父と僕の終わらない歌』は、5月23日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

元々は、イギリスでアルツハイマー型認知症と診断された男性が、息子のことさえも忘れ始めていく中で、家族とのドライブの中で、車内に流れていた曲に合わせて歌い出したことをきっかけに、その姿を撮影した動画をSNSにアップロードしたことで話題になり、寄付を集めると共にCDを発売し評価されていく姿を、息子が綴った物語をベースにしている本作。これを2020年代の日本に合わせて脚色しており、細やかなエピソードの数々も丁寧に取り入れている。そんな本作を手掛けたのは、小泉徳宏監督。『タイヨウのうた』で映画監督デビューし、『カノジョは嘘を愛しすぎている』も手掛けており、音楽の要素がある作品を丁寧に作り上げていることが印象深い。そして父親にキャスティングされたのは、寺尾聰さん。俳優と歌手のキャリアを全うできるような役柄がピッタリである。とはいえ、アルツハイマー型認知症を患った役を演じ切る難しさも十分に伝わってきた。彼に寄り添うように若手・ベテランの名俳優達が揃っているので、見応えある作品になっている。本作を鑑賞しながら、自身の父が認知症を患ったら、どのように接することができるだろうかと考えずにはいられない。とはいえ、どんな事情があろうとも家族とは良き関係を末永く続けていきたい、と感じられる作品だ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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