実はトラブルを巻き起こす“悪童”として描くダークファンタジーの世界…『ほんとうのピノッキオ』がいよいよ劇場公開!
copyright 2019 (C)ARCHIMEDE SRL – LE PACTE SAS
“人間になりたい”と願う人形ピノッキオの冒険をダークな描写や風刺を交えて描く『ほんとうのピノッキオ』が11月5日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ほんとうのピノッキオ』は、ディズニーの名作アニメ「ピノキオ」でも有名な児童文学「ピノッキオの冒険」を、美しくも残酷に映画化したダークファンタジー。ジェペット爺さんの家を飛び出したピノッキオが繰り広げる奇想天外な冒険を、社会風刺や示唆に富んだ物語として描く。貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始める。ピノッキオと名付けられた、そのやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出し、導かれるように森の奥深くへと分け入っていく。「人間になりたい」と願うピノッキオは、道中で出会ったターコイズブルーの髪を持つ心優しい妖精の言いつけも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さず、ひたすら命がけの冒険を続けるが…
本作は、『ゴモラ』『ドッグマン』等で知られるイタリアの鬼才マッテオ・ガローネ監督が手掛けた。2021年の第93回アカデミー賞で衣装デザイン賞、メイクアップ&スタイリング賞の2部門にノミネートされている。
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映画『ほんとうのピノッキオ』は、11月5日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSなどで公開。
幼い頃、なんらかの形式で「ピノキオ」のアニメーション作品を観た覚えがある。子どもながらに、長く苦しい旅だなぁ、と感じたはずだ。同時に、どれだけジェペットさんに甘えて依存しているピノキオなんだとイライラしたような気がする。こんな正確にはならないぞ、と感じたはず。今思えば、子どもにとっては様々な教訓が込められた作品だったのかな、と気づかされる。しかし、そもそもの児童文学「ピノッキオの冒険」はどんな話だったのか、と本作は伝えてくれる。そうか、イタリアの作品だったのか…!
本作を観てみると、ピノッキオがどれだけトラブルメイカーだったのか、またトラブルに気づかず巻き込まれやすいキャラクターだったのか、と気づかされる。良いようにいえば純真無垢なキャラクターだが、トラブル要因になるかどうか表裏一体。最初から体だけは出来上がっているが心がついていっていない。矛盾が生じているから出来上がるキャラクターだ。だが、良い方向に成長していく見込みは十分にある。周囲に良い人間がいてこそ、本当の人間になれることが出来る、とピノッキオの物語は代々伝えてきた。今改めて実写版の映画として公開される意義は十分にあると感じさせてくれる一風不思議なダークファンタジーとして仕上がっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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