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チェット・ベイカーの“最期の日々”描く『マイ・フーリッシュ・ハート』がいよいよ劇場公開!

2019年11月7日

ジャズ界の伝説的なトランぺット奏者にしてシンガーのチェット・ベイカー人生最期の数日間にフォーカスした伝記ドラマ『マイ・フーリッシュ・ハート』が、11月8日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『マイ・フーリッシュ・ハート』は、1950年代にトランペット奏者、そしてボーカリストとしてジャズシーンを席巻し、1988年に謎の転落死を遂げたチェット・ベイカーの最後の数日間に焦点をあてたドラマ。1988年5月13日午前3時、アムステルダムに滞在中のチェット・ベイカーが宿泊先のホテルの窓から落下して死亡した。うつ伏せの状態で頭部から血を流している遺体を確認した刑事ルーカスは、ベイカーが落ちたと思われるホテルの窓辺に謎めいた人影を目撃する。しかし、ホテルの部屋には誰もおらず、殺風景なその部屋の机にはドラッグ用の注射器などが散乱し、床にはトランペットが転がっていた。捜査を開始したルーカスは、前夜に出演予定だったライブ会場に姿を見せなかったベイカーの身に何が起こったのかを調べ始め、ベイカーの傷ついた心の闇に触れていく。

 

本作では、ロックバンドでボーカルとしても活躍するスティーブ・ウォールがチェット・ベイカー役を演じる。本作が長編デビューとなるロルフ・バン・アイク監督が綿密なリサーチに基づいて描く。

 

 

映画『マイ・フーリッシュ・ハート』は、11月8日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、11月15日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、11月30日(土)より京都・烏丸の京都シネマで公開。

偉大なるジャズ・トランぺッター、チェット・ベイカー。彼がどのようにして最後を迎えたか、その詳細は未だに明らかになっていない。本作では、ロルフ・バン・アイク監督が事細かに調べ、3年の歳月を費やし、脚本を書き上げた。

 

チェット・ベイカーに関する伝記映画は、2015年のイーサン・ホーク主演『ブルーに生まれついて』がある。これは、どん底から奇跡的なカムバックを遂げていく姿を描いた。だが、本作は、どん底のまま死に至るまでを描いている。同じ人物でも焦点を当てた期間が違うだけで多様に見えてしまうから興味深い。

 

作中で中心となる人物はあくまでチェット・ベイカーだが、チェット・ベイカーの死に偶然居合わせてしまった一人の刑事による視点で描かれている。ストーリーが展開していくにつれ、チェット・ベイカーとこの刑事が、人生に希望を見出せない、という視点では共通しているように見えてくるのが興味深い。刑事の視点を以て、ある種のノワール調で構成された作品となっており、観る者を惹き付けてしまう。ラストの解釈についても議論のしがいがあり、ジャズやチェット・ベイカーに詳しくなくても十分に楽しめる作品になっている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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