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『恋とボルバキア』の小野さやか監督の初監督作品『アヒルの子』7年ぶりに第七藝術劇場でも再上映!

2018年1月30日

(C)2010「」製作委員会

 

現在、大阪・十三の第七藝術劇場で公開しているセクシャルマイノリティの人々を見つめたドキュメンタリー『恋とボルバキア』が好評な小野さやか監督。今回、初監督作品の『アヒルの子』が、お客様からのリクエストに応え、2月3日(土)から1週間限定で第七藝術劇場で7年ぶりに再上映される。

 

本作は公開当時、同じような悩みや苦しみを持った沢山の人に響き、リピーターが続出。家族のかたちを問い直す強い衝動を持った作品であり、その衝撃的な内容によりDVD/Blu-ray等のソフト化はされていない。カメラの前に自らを曝け出した小野さやか監督が撒き散らす自己嫌悪の衝動は、親子の価値観の違い、姉妹間の愛憎等をふくめ様々な「家族」の問題を抉り出す。あいまいながらも強烈な衝動は、観る者それぞれの家族観を大きく揺さ振っていく…

 

映画『アヒルの子』は、小野さやか監督が日本映画学校の卒業制作として製作したドキュメンタリー。東京でひとり暮らしをしながら専門学校に通う小野は、5歳のときに農業を中心とした理想社会を形成するコミューン団体「ヤマギシ会」幼年部に1年間預けられた過去を持つ。親に捨てたれた記憶としてその過去に苦しみ、それ以降、家族の前で偽りの“いい子”を演じてきた。小野は自らを鬱屈から開放するため、家族ひとりひとりと正面から対じすることを決意する…

 

本作の製作総指揮を務めた原一男さん(映画監督)は「なぜ人を傷つけることを恐れるのだろう? なぜ自分が傷つくことを避けるんだろう?傷つけ、傷つけられることで、はじめてお互いが理解できるし、共感と尊敬の念が起きてくる。コミュニケーションとは、戦いなのである。傷つけ、傷つけられることを避けたがる今時の若者たちの風潮に対して、小野さやかは果敢に宣戦布告をした。「アヒルの子」は、その戦いの記録である。が、ここに勝者はいない。小野自身が傷つき、血をしたたらせて呻いている。その姿が切なく、胸を打つ」とコメントを寄せている。

 

映画『アヒルの子』は、2月3日(土)から2月9日(金)までの1週間限定で大阪・十三の第七藝術劇場で連日18時10分からの上映。2月3日(土)には、上映後に小野さやか監督の舞台挨拶を予定している。なお、映画『恋とボルバキア』は、2月9日(金)まで第七藝術劇場で公開中。こちらも2月3日(土)には、上映前に小野さやか監督の舞台挨拶を予定。

よくぞここまで監督自身と家族についてカメラに捉えセルフドキュメンタリーとして公開する作品を完成させたと驚かせされる。個人的に非常に小野さやか監督に共感した。家族に何らかのトラウマがある人にとっては引っ掛かる作品ではないだろうか。監督が感じる喜怒哀楽の感情を理解出来たならば、監督自身と一心同体となり共鳴し合い喜怒哀楽まで同期してしまったかのような感覚に陥った。立場は違えど、観客それぞれが持つ家族に対しての想いが一致することがあれば、監督と1対1で語り合いたくなる。

そんな思いを抱かせた作品の前半部分。それだけで最後まで突き詰めると独りよがりの作品になってしまいかねない。だが、後半から徐々に監督自身にもお客さんにも希望をもたらす展開になっている。自身を追い込みながらも前を向いて歩いていくために初監督作品として本作を作った意義は大きい。カメラを通して真正面から向き合うドキュメンタリーを今後も大いに楽しみにしている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する
映画好き。映画ライター講座を受講し
関西の映画情報サイトを中心に執筆

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