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MOOSIC LAB2016 最多5冠受賞作品『光と禿』!シアターセブンで大阪凱旋公開!

2017年10月8日

ハゲた中年ミュージシャンとひねくれた盲目女子の交流を描くコメディ『光と禿』が10月7日(土)より大阪・十三のシアターセブンでの凱旋上映を開始。公開期間中は連日舞台挨拶が行われている。10月8日(日)は出演の円井わんさんと青木克齊監督が登壇した。

 

映画『光と禿』は、気鋭の映像作家とアーティストがコラボレーションしたインディーズ映画を輩出する「MOOSIC LAB 2016」で観客賞・審査員特別賞・最優秀男優賞・最優秀女優賞・べストミューシシャン賞の計5部門を受賞した作品。中年のハゲたミュージシャンのスギムは、道端で転んだ盲目女性・梢を助けようと親切心で声をかけるが、そこに現れた梢の友人である友梨から痴漢と勘違いされ「変態!」と罵声を浴びせられてしまう。その夜、昼間の出来事をライブのステージで憂さ晴らしをするスギム。梢は友梨に、スギムが痴漢ではなかったことを打ち明ける。梢は謝罪をするために、スギムを探し出すこととなるが……

 

上映後、円井わんさんと青木克齊監督が登壇。青木監督からは「連休中にスクリーンで禿げたおじさんの裸体を観にきて頂きまして誠にありがとうございます」とご挨拶。作中に登場するライブハウスのスタッフであるまりちゃん役を演じた円井さんは大阪出身であることから、今回の凱旋上映を楽しみにしていた。

 

本作は、新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクト『MOOSIC LAB』から制作された1作。青木監督は、おもしろいミュージシャンを探している中で、大阪にいるサブカルに詳しい友達から「禿げたパンツ一丁のおじさんおるで」と紹介された。青木監督にとっては、クリトリック・リスのスギムさんを知る”初体験”だった。

 

出演依頼を快く承諾したスギムさんは、撮影開始までの準備期間中に共演の武田航平さんと仲良くなり「自分は禿げ役、武田君は光る役でボーイズラブの映画です」とでたらめなTweetをして、ジュノンボーイ出身である武田さんのファンを困惑させた。だが、青木監督からの出演依頼時に、スギムさんは文化祭に出る気分で軽い気持ちで参加したようだが、青木監督は「商業映画で活躍しているキャスト・スタッフ達を揃えた結果、スギムさんが良くも悪くも浮いてしまった」と申し訳なかった。順撮り形式で撮影が始まると「スギムさんが最初に登場するシーンは棒演技だった」と青木監督は困惑。円井さんは「スギムさんが原始人みたいな歩き方をしたので『普段はそんな歩き方をしていますか』と聞くと『俺、いつもこんな歩き方やからなぁ』と言われた」と告白。青木監督は「12日間の撮影をこれでやっていかないといけないのか」と頭を抱えた。とはいえ、今作を通して「段々とスギムさんの演技がこなれていくのがわかった」と言及する。

青木監督は、スギムさんのライブシーンに拘りがあり「嘘でライブシーンを撮られてほしくなかった。狙っていないカットや曲も含めて3曲を3回転してシーンごとに分けて撮った」と明かす。撮り終えて「芝居では話にならないところからスタートしたが、ライブシーンは真骨頂でよくやってくれている」と評価する。スギムさんは、撮り終わった時に「映画は二度とやりたくない」と言っていたが、本作はMOOSIC LAB2016で観客賞・審査員特別賞・最優秀女優賞・べストミューシシャン賞を受賞し、さらにスギムさんが最優秀男優賞を獲得した。受賞後のスギムさんについて、青木監督は「スギムさんが舞台挨拶等で好反応を感じ、最近は『ピエール瀧さんのように、音楽と俳優の二足の草鞋で生きていきたい』と言い出したので、ちょっとどうしようかな」と困惑ぎみ。円井さんは「素晴らしいですよね、スギムさん。俳優でもさらに活躍してほしいです」とすかさずフォローするが、青木監督から「共演希望ですか?」と問われると「それはもういいです」と即答した。

 

撮影時のエピソードとして、円井さんは「スギムさんは頭が光っていても根が暗い。待機している時は、縮こまって本を読んでいるか、衣装につけているテルミンを触っている」とスギムさんの意外な素顔に好感を持った。青木監督は、お客さんの中でスギムさんのライブに行ったことがある方の挙手を求めると半数以上の手が上がり、その多さに驚いた。青木監督は「僕も映画を作るにあたり、スギムさんの人となりを観察し、作品に用いる楽曲を決めるために、何度もLIVEに通った」と明かす。今作を鑑賞したお客さんには「LIVEを観にきたら、抑えつけられたスギムさんに笑う。逆に、映画でスギムさんを観て、興味を持ってLIVEに行ったらビックリする。ギャップをつくってもらえたら」と期待している。

 

最後に、青木監督から「短い期間ですが、1人でも多くの方に禿げたオジサンの映画を観てもらおうと思い、1週間大阪に滞在することにしました。小さい映画なので、宣伝方法がSNSぐらいしかないが、皆さんの口コミが大事なので、感想等を呟いてもらえたら」とお願い。また、13日(金)の最終日にスギムさんが舞台挨拶で登壇するので「スギムさんへの感想やメッセージを書いて貼ってもらうパネルを用意した。最終日にはスギムさんに進呈して、応援している人がいると伝えたい」と企画を敢行中。

 

映画『光と禿』は、大阪・十三のシアターセブンで10月8日(土)から10月13日(金)まで公開。毎日20時30分~の上映にて連日舞台挨拶の開催も予定している。一般1,500円専門・大学生1,200円シニア1,100円高校生1,000円シアターセブン会員1,000円となっている。また、リピーター割引1,100円や受付での自己申告による禿げ割1,200円も実施している。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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