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関西各地で公開中の『幼な子われらに生まれ』!モントリオール世界映画祭審査員特別賞受賞!

2017年9月10日

(C)2016「」製作委員会

 

8月26日(土)より全国の映画館で、直木賞作家の重松清が1996年に発表した小説『幼な子われらに生まれ』を実写化した映画『幼な子われらに生まれ』が上映されている。この度、8月24日~9月4日 にカナダで開催されていた第41 回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門でグランプリに次ぐ審査員特別賞を受賞した。

 

今作の審査員特別賞受賞について、映画祭の審査員は「『DEAR ETRANGER』という題名に呼応するかの様に達者な演者が様々な側面を見せる事で、一見静かにスローに見える冒頭からの30 分間に、実は水面下で複雑な緊張が張り巡らされている事に気付かされる。後半に入るとその緊張の糸が切れたり弾けたりして、一体それぞれのエレメントはどこに行くのだろうと思わせる。そこに一貫してイノセントな役柄を通しているのが、一番下の子どもであり、大人の世界で何が起ころうとも動じない。故に対比が一層増幅されるかのようである。英語とフランス語を交えたタイトル『DEAR ETRANGER』はモントリオールの日常にフィットしている」と評価している。なお、ETRANGERはフランス語でよそ者の意味を指す。

 

映画『幼な子われらに生まれ』は、直木賞作家・重松清の同名小説を浅野忠信、田中麗奈主演で映画化したヒューマンドラマ。中年サラリーマンの信と妻の奈苗はバツイチ同士で再婚し、奈苗の連れ子である2人の娘とともに幸せに暮らしていた。奈苗の妊娠が発覚し、長女が「本当のパパ」に会いたいと言いはじめる。前の父親である沢田とはDVが原因で離婚していたため、信と奈苗は長女が沢田と会うことに反対するが、長女は父親としての信の存在自体を辛辣な言葉で否定する。そんな長女を前妻との間に生まれた実の娘とつい比べてしまい、現在の家庭を維持することに疲弊した信は、新たに生まれる命の存在すらも否定したくなる心境になっていく…

 

映画『幼な子われらに生まれ』は、8月26日(土)より関西をはじめ全国の映画館で絶賛公開中。なお、テアトル梅田では3週連続週末動員1位を記録している。また、本作の脚本を担当した荒井晴彦さんの特集上映「荒井晴彦映画祭 70になった全身脚本家」が大阪・九条のシネ・ヌーヴォで9月15日(金)まで開催されている。

血の繋がらない家族と血の繋がっている他人、離婚と再婚を経験することによって生じる関係性の歯痒さを絶妙なタッチで描いている。不器用にしか生きられない大人が、大人へと成長していく子どもにどのように接すれば良いのか一筋縄ではいかない。思春期真っ盛りの子どもにとっては、突然新しい父親が現れた時、どうしても以前の父親が良かったように思える。例え、それがどんな父親だったとしても。その辺りの父親像が子どもによっては違い、物語の深みが増している。

無機質であり特徴的な建築物と光のトーンを抑えた映像描写、2000年代前後の日本映画を彷彿させる印象を受けた。新しい命を授かり、明るい未来に向けて歩いていく前の夜明けを描いた物語と言えようか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する
映画好き。映画ライター講座を受講し
関西の映画情報サイトを中心に執筆