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戦闘本能を研ぎ澄ませろ!映画『RE:BORN リボーン』公開!ワークショップ&舞台挨拶開催!

2017年8月20日

8月19日(土)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田でアクション俳優のTAK∴こと坂口拓が主演する映画『RE:BORN リボーン』の上映が開始。公開初日・2日目には下村勇二監督、出演のTAK∴(坂口拓)さん、戦術戦技スーパーバイザーの稲川義貴さんらの舞台挨拶やワークショップが開催された。

 

映画『RE:BORN リボーン』は、TAK∴こと坂口拓が最強の元傭兵役で主演した格闘アクション。かつて最強の傭兵部隊に所属しながら、特殊訓練の最中に自らの手で部隊を壊滅させてしまった敏郎。現在は石川県加賀市のコンビニで働きながら、少女サチとひっそり暮らしていた。そんなある日、町で不可解な殺人事件が起きる。それは、敏郎が壊滅させた部隊の指揮官ファントムが発した、敏郎への警告だった…

 

8月20日(日)の午後には、大阪での公開記念特別企画として『リボーン コンバット システム』ワークショップが満員盛況の中で開催された。最初に下村監督より「映画『RE:BORN』で使っているアクションは稲川先生が考案したゼロレンジ・コンバット(零距離戦闘術)の基礎である、肩甲骨を柔らかく動かす身体操作であるウェイブが使われている」と説明。

 

稲川さんからは、装備を説明しながら「米軍特殊部隊の格闘技教官を務めている時、音速の銃を超えろと言われ、日本でウェイブを開発した。戦場でつくったものであり、格闘技だと思われたくない。動いて殴るのではなく、武器が何もない時に戦えるようにつくってある」と解説される。ここで、取材に伺った小生は下村監督に促され、ウェイブがどのようなものであるか、実際にTAK∴さん相手として体験することに…TAK∴さんから肘から肩、肩から首に対してウェイブを受け、その凄さを身を以って体感した。その後は、拳銃やナイフを奪う動きや相手の勢いを利用した敵の倒し方についてレッスンが行われた。

 

ワークショップの終了後、劇場に場所を移して、さらに作品について伺った。

下村監督は、今回のワークショップについて「映画だけ観てるとわからないことを実際に体験すれば原理がわかり、日本古来の武道がベースになっていることがわかる」と考えている。「僕らの作品はミリタリーアクションが中心だが、侍映画や武士道精神を意識している」と明かす。稲川さんも「作品に登場するカランビットナイフは、忍者が使う”くない”のイメージ。装備などは全部現代版だが侍映画の現代版を撮りたかった」と思いを込める。今作は、アクション映画関係者からは絶賛コメントを受けており、下村監督は「剣術家であり侍である藤岡弘、さん観て頂き、絶賛して頂いたのは凄く嬉しかった」と喜んだ。稲川さんも「現在の映画好きのお客さんには新しいアクションに受け止められるが、御年配の方には、よくぞやってくれたと思ってもらえたのでは」と捉えている。

 

『RE:BORN』は三部作の構想がある。稲川さんは「『RE:BORN ZERO』『RE:BORN』『RE:BORN TWO』による大きな世界がある。今回は、監督が『RE:BORN』をピックアップして撮った。次作は深みが欲しい」と願う。これを受け、下村監督は「最近の映画は説明過多。お客さんは想像力が低下し答えを見つけたがる。昔の映画はそうではない。今回、あえて裏設定は説明せず台詞は最低限にした。お客さんには答えを求めるのではなく、感じてもらいたい。自分の中で何故かと思った時に、何度も観直し、ちょっとわかると点が繋がっていく」と映画づくりの理想を語る。稲川さんは「衣裳や小道具にも拘った。じっくり見てみると、相違点に気づけるようにオリジナルで作った」と明かす。これを受け、監督は「ただ格好良いだけでなく、意味を持たせている。それぞれのキャラクターによって戦闘方法が違うので、それに合った動きが出来るナイフにしている」と解説。

TAK∴さんは、今作が復帰後初の主演であるが「役者は引退しても、アクション監督としてはずっとやっている。役者が出来ないことをやっていきたい」と語る。稲川さんは「最高のセッティングで、世界最高峰の技を盛り込んだ。どのようにすれば相手に勝てるのかをTAK∴さんに体現してもらった」と話す。TAK∴さんとしては「稲川先生に戦術を拘って頂いた。それに自分がどれだけ応えられるか。これは通常の俳優にアクション監督としては指導できない。役者にはできないから、俺がやってみせる価値があるものを魅せる」と意気込んでいる。TAK∴さんについて、稲川さんは「良いと思った技は体感し体現した上で、体得し自分のものにしてもらった。登場しているキャラクターがTAK∴さんを超えるものにしたい」と戦術戦技スーパーバイザーとして述べた。

上映2日目は、本作上映前に下村勇二監督、出演のTAK∴(坂口拓)さん、屋敷紘子さん、戦術戦技スーパーバイザーの稲川義貴さんが登壇。満員大入りで熱気溢れる中、舞台挨拶が行われた。

本作について、下村監督は「実は4年前からプロジェクトが始動して、撮影自体は2015年4月に撮影を行った。さらに、アクションシーンを半年かけて追加撮影を行い、ようやく完成し上映できるようになりました」と打ち明ける。TAK∴さんについて「稲川先生の下で1年間も訓練し、ゼロレンジ・コンバットという戦闘術の中で肩甲骨を柔らかく動かすウェイブをベースにやってもらった」と説明。稲川さんはウェイブについて「格闘技新時代と言われるが、日本古来の武道の粋を研究し作り上げた。新しいけど古いと思って観てもらえると嬉しい」と話す。

 

ここで、実際にTAK∴さんがウェイブの技をお客さんにも見せるが、あまりにも早過ぎてお客さんらは呆然とする。すかさず、TAK∴さんは「早くて見えなかったかと思うが、先生と実際に戦うことになった僕の気持ちを察してください」と笑わせる。「ハリウッドでのCGやワイヤーアクションもあるが、人間の身体の限界のスピードでどこまで出来るのかを自分の中で突き詰めた結果、俳優として復活するのではなく、別の人間になってしまった」と話す。下村監督からも「民間人じゃないかも知れない」と言われてしまう。TAK∴さんは「闘うことだけを突き詰めて、現在は、本職の忍者をやっている。人間の限界を超える映画に出会えた時、惜しみなく命を削ってやりたい」と思っている。

さらに、TAK∴さんは屋敷さんを相手に握手だけ首の骨を折る技を披露。肘、肩、首の順に波を送ったが、首の段階では、危険な音が聞こえた(屋敷さんはリラックスして力を抜いた状態で受けているので安全です。力んでしまうと、危険なことになります)。加えて、お客さんにも登壇し体験してもらった。また、「日常でも使えるウェイブ講座」と題し、TAK∴さんから「明日から使えるウェイブのワンポイントアドバイス」として、ひっかけ橋でひっかけられたらというシチュエーションを想定し、拳銃を突き付けられた場合にできるウェイブを披露。カランビットナイフを稲川さんががウェイブ用に改良したクレッセント・ブレイド・シャイニングもお客さんに説明した。武器について、TAK∴さんは「稲川先生が自分のウェイブや肩甲骨を見て、作ってくれた。自分だからこそ使える」と満足している。
最後に、下村監督は「この作品は、時間をかけて撮り、ようやく皆さんのもとに届けられて本当に嬉しく思っている。関わった皆の魂がこもった作品。この作品は表と裏のストーリーがあり、実は何度か見ると分かってくることがあるので、それらも感じてもらいたい」と述べる。TAK∴さんは「『RE:BORN』は派手に宣伝している作品ではないので、口コミで広げてもらって、東京でも満席になっている。皆さんがおもしろいなと思ってくれて、口コミで宣伝してもらえることが僕らにとって一番の盛り上がりになる」と期待している。稲川さんは「出て下さったキャストの皆さんに辛い訓練をして頂き、監督自身も辛い思いをしていた。ようやく出来上がったので、皆さんが大切に本作を育ててくれたら最高だ」と願っている。屋敷さんは「私は、15年前にTAK∴さんが主演で下村さんがアクション監督の作品を観て衝撃を受け、アクションを始めて今ここに至る。15年間ずっと見ていても、今も進化が凄い。今作では、日本映画界の希望と思うぐらい物凄い出来栄えになっている。皆さんの声だけが私たちの追い風になるので、たくさんの方に観て頂けることを一人の映画ファンとして願ってる。今日は楽しんでいってください」と述べ、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『RE:BORN リボーン』は、8月25日(金)まで大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開。20:45~の上映となっている。また、来場者への抽選プレゼントとして、下村勇二監督、TAK∴さん、稲川義貴さんのサイン入りB5サイズラミネートチラシが各日4名様、さらに、8月24日(木)・8月25日(金)はA3サイズ特製チラシが1名様に送られる。

なお、10月21日(土)からは京都シネマでの公開も予定している。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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