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スラム街で雑貨と麻薬売る女性描く『ローサは密告された』京阪神で公開!

2017年8月9日

フィリピンの映画監督ブリランテ・メンドーサ最新作『ローサは密告された』が大阪・梅田のテアトル梅田や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で8月12日(土)より公開される。

 

本作は『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』等を手掛けたブリランテ・メンドーサが監督を務め、フィリピンのスラム街に暮らす女性の姿を描いた。家計のために手を出した麻薬売買によって逮捕される女性とその家族の様子を映し出す。主演のジャクリン・ホセは、本作で第69回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞した。

 

映画『ローサは密告された』は、東南アジア最大といわれるマニラのスラム街で懸命に生きる女性とその家族を描いたドラマ。4人の子どもを持つローサは、マニラのスラム街で小さなコンビニエンスストアを経営し、地元の人々からも好かれている。彼女と夫のネストールは家計の足しにするため少量の麻薬を扱っていたが、そのことが警察に見つかり逮捕されてしまう。ローサの子どもたちは腐敗した警察から両親を取り戻すべく奔走するが……

 

 

映画『ローサは密告された』は、大阪・梅田のテアトル梅田と神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で8月12日(土)より公開。なお、京都・烏丸の京都シネマでも9月23日(土)から公開予定。

予告を見れば分かるように、手持ちカメラを有効に活用した撮影を行っている。本作はあくまでフィリピンのスラム街を捉えたフィクションであるが、この撮影手法によってPOV形式のドキュメンタリーにも見える。

本作の冒頭ではペプシ・コーラの配送車が写り込み、そのボディには”ARAW MOTO!”と書かれている。字幕では”今日はラッキー・デー!”と記している。本作の登場人物にラッキー・デーだと思っている人は多くはない。しいて言えば、麻薬売買を行った者を逮捕した警察ぐらいだ。作品全体を表しているコピーが冒頭に既に現れていることが印象深い。

もう一つ印象深く捉えたものとして、ローサら家族が住む家のリビングに貼られているレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』をモチーフにしたポスターだ。フィリピンの宗教はキリスト教・カトリックが多くを占めている。この家族もキリスト教の信仰があることを示すシーンが流される。しかし、『最後の晩餐』はイエスを裏切ったユダが描かれている。本作のタイトルにある通り、ローサを密告した人物をユダにあてはめていると考えられるが、決してローサはイエスではない。本質的にはイエスのような神々しい人物は本作には登場しない。本作はローサが密告されたことによって起きた出来事を捉えたストーリーでしかない。

物語の冒頭に少しだけ登場した、”ARAW MOTO!”と書かれたペプシ・コーラの配送車と『最後の晩餐』を想起させるポスター。これらに気づくだけでも、後の展開が楽しみになってしまう快作だ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する
映画好き。映画ライター講座を受講し
関西の映画情報サイトを中心に執筆