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『いたくても いたくても』大阪で上映開始 初日舞台挨拶開催

2017年4月8日

4月8日(土)より大阪・十三のシアターセブンで男女の恋愛とプロレスを絡めて描かれた映画『いたくても いたくても』が上映されている。公開初日には堀江貴大監督による舞台挨拶が行われた。

映画『いたくても いたくても』は、文化庁若手作家育成プロジェクト「ndjc」で製作した短編「はなくじらちち」などで注目される堀江貴大監督の初の長編作品。倒産寸前の通販会社の映像製作部門で働く星野は、社長の坂口が突如立ち上げたプロレス同好会に無理矢理参加するはめになる。星野のファイトスタイルに肩入れするようになった坂口は、プロレスと通販番組を融合させた新番組をスタートさせ、星野はレスラーとして番組に出演。星野の同僚で、恋人でもある葵は、星野が楽しそうにプロレスに興じる姿を受け入れることができず、戸惑いを感じていた。しかし、今まで陽の当たらない人生を送っていた星野にとって、プロレスのリングは唯一の輝ける場所だった…

映画上映後に舞台挨拶が行われ、堀江監督は、まず初日に鑑賞して頂いたことに感謝を述べた。堀江監督は8年前にCO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)に助監督で参加していた時期があった。「撮影現場が大阪だったこともあり、自分としては好きな街だ」と堀江監督は慨深く感じていた。

本作は東京藝術大学大学院映像研究学科の修了製作として、3年前の冬に撮影が行われた。全領域の学生が1本の映画を撮る修了製作となっている。大学側から予算がつき、予算内で制作することについて、堀江監督は「修了製作に関わる全てを自分で用意するには大変コストがかかる。演出に集中したかったので、実際に大学の機材や場所を借りることができるのはよかった。きちんとした分業制があるのは魅力的だ」と感じている。

堀江監督は本作で脚本も担当されている。変わったストーリーで最終的な展開が読めない構成だ。着想について、堀江監督は「プロレスをやっていた友人が多くいたが、椅子とプロレスをする友人の話が印象に残っていた。また、個人でキャスティングや撮影を行い商品の紹介動画をつくっている友人がおり、手作りの良さを感じた。この2つの要素を混ぜ、商品紹介しながらプロレスを行うという設定にした」と明かす。

なお、本作は、上映時の画面サイズが4:3のスタンダードサイズとなっている。このサイズにした理由について、堀江監督は「作品に登場する家のロケハン時、小津安二郎監督の日本家屋で撮っている作品が印象に残っていたカメラマンがスタンダードサイズで撮りたいと言っていたことに共感できた」ことを挙げる。「狭い家だったが横長というよりは縦長の家に対して、スタンダードサイズがいい。プロレスのシーンに合っているかが課題ではあったが、プロレスが前面に出た映画ではないので、最終的にスタンダードサイズになった」と話す。

観客からは「台本にこの台詞はないのでは?と感じるところがあった。エチュード(即興劇)が含まれているのでは?」と質問があった。堀江監督は「エチュードはあまりない。台詞は台本に全部あるが、出演者自身が台詞に寄せてもらった。台本通りじゃなくていいという話をし、台詞が変わる部分はいっぱいあった。出演者の皆さんがキャラクターを作っていく時間があった。出演者側から提案があったのは、すごく幸せだった」と応えた。

主人公の星野のキャラクタづくりについても質問が挙がった。堀江監督は「企画の発端時は、星野のライバルとなる司会者が主演で、ちょっと嫌な奴が職場をかき回す設定だった。最終的に、受けの芝居をする人が主役のストーリーにした。愛すべきダメな人である主人公を応援してほしい。現実に存在していたら、切り捨てられる人かもしれないけれど、そういう人にはもう少し寛容になって受け入れてほしい」と思いを伝える。「規格の発端からは違う人が主人公になる傾向がある。まず、自分の中でのチャレンジとして、行動を起こす人を主人公にしようとするが、最終的に自分が観たいのは星野みたいな人だ」と明かした。

この各登場人物について、舞台挨拶後にさらに伺ってみた。

主人公・星野のモデルについて聞いてみると「私のAD時代のうまくできない感じを投影した。視野が狭くなっている人を演じてもらいたかった。作品の企画や設定は突拍子なくても、俳優が大まじめに演じることで喜劇になるのでは」と堀江監督は捉えている。

主人公のライバル・戸田については「謎のキャラクターであり、何かを演じようとしている。仮面を被っていそうだが、性格が天然にも見える。嫌な奴なんだけど憎めないキャラクターを登場させるのはやりたいことだった。ズバッと嫌な台詞を言ってしまう人はおもしろい」と堀江監督は考えている。戸田を演じた吉家翔琉さんについて、堀江監督は「吉家さんは、『男はつらいよ』の寅さんが好きで憧れていて、お願いしていなくても、寅さんのオマージュを出してきてくれたと思っている。本当は空気を読めているかもしれないけれど、結果的に読めていないのが寅さん。あえて、その場の空気を読まない寅さんの雰囲気を醸し出している」と吉家さんについて捉えた。ならば、吉家さんは戸田も主役と思って演じたのでは、と聞いてみると「吉家さんは、役作りの段階からあえて他の出演者と仲良くしていなかった。社長役の坂田聡さんとは距離を置き、実際に仲が悪いのではないかと思えるぐらいだった。他の出演者も自身の役をそれぞれに広げていきキャラクターをつくろうとしてくれた」と振り返った。

社長の設定について聞いてみると「特にイメージはなかった。勢いで進めるブラック企業の社長のような強引な人をやりたかった。”もしも、通販会社の社長がプロレス番組を始めたら”、という設定を思い浮かんだ」と明かす。登場する通販会社の商品については作品を効果的に演出していたが、堀江監督は「商品はスタッフらが見つけてきた。小道具の使い方によって、キャラクターの心情を表す使い方はおもしろい」と感じている。

また、プロレスファンの反応について伺ってみると、堀江監督は「『教養としてのプロレス』を出版しているプチ鹿島さんが応援して下さっている。プチ鹿島さんに、フィクションの世界で日常を格闘として捉えることを取り上げて頂いて嬉しい。プロレスファンの人にも観に来てほしい」と思っている。タイトルについては「プロレスの痛みと恋愛の痛みを掛け合わせた。格闘技に関する別のタイトル案もあったが、このタイトルでよかったと個人的には思っている」と明かす。

映画『いたくても いたくても』は、4月8日(土)より4月19日(水)まで大阪・十三のシアターセブンで上映。4月8日(土)~4月18日(金) 13時15分~14時58分、4月15日(土)16時20分~18時03分、4月16日(日)は 休映、4月17日(月)~4月19日(水)20時~21時53分にて、料金は一般1,500円シニア1,100円シアターセブン会員1,000円となっている。

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